総合周産期母子医療センター(NICU)

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総合周産期母子医療センター

総合周産期母子医療センターとは、母体・胎児集中治療室を含む産科病棟、新生児集中治療室を含む新生児病棟を備え、常時母体及び新生児搬送の受け入れ体制を有して、リスクの高い妊娠に対する医療、高度な新生児医療等を行える医療施設です。
当施設は2003年7月、北海道初の総合周産期母子医療センターの指定を受け、釧路・根室三次保健医療福祉圏において、周産期医療の中核病院の役割を担っています。

NICU病棟の紹介

NICUとは、Neonatal Intensive Care Unitの略で、予定日より早く生まれた、体重が小さい、生まれつきの病気をもっているなど、赤ちゃんのための集中治療室のことを言います。
当院では、年間約1000人の赤ちゃんが産まれ、そのうち200人程がNICUに入院しています。入院する赤ちゃんのうち、一番多いのは早産児(在胎37週0日より前に生まれた赤ちゃん)で、入院の約40%を早産児が占めます。その早産児の中の約10人に1人が出生体重1000g未満の赤ちゃんです。その他の60%は、正期産で産まれた赤ちゃんですが、呼吸障害の赤ちゃんが約20%、血糖値が低下して点滴が必要となった赤ちゃんが約20%、感染症疑いの赤ちゃんが約10%、その他、黄疸の治療や検査などが目的の赤ちゃんが約10%です。
私たちNICUの医師・看護師は、メディカルソーシャルワーカーをはじめとした他職種・他部門・地域保健師等と連携を図りながら、ご家族と共に、赤ちゃんの成長と退院に向けた準備のサポートをさせていただいています。


主な対象疾患

 釧路根室中標津地域唯一の総合周産期母子医療センターとして、超低出生体重児診療、新生児救急対応を担っており、24時間体制で救急医療を実施しております。札幌にある、北海道立子ども総合医療療育センターコドモックルや、北海道大学病院、天使病院、市立釧路総合病院と連携して、先天性心疾患・外科疾患・脳外科疾患・泌尿器科疾患などすべての治療・経過フォローアップを各専門家と協力して行なっています。また、看護師・助産師・産科医師・小児科医師・医療ソーシャルワーカー等の多職種で連携し、医療のみならず社会福祉的なサポートも行なっています。

入院患者概要

講習会

NCPR講習会を定期的に開催
我々は地域で唯一の総合周産期母子医療センターとして、2008年から新生児蘇生法(NCPR)の講習会を定期的に地域で開催し、地域の新生児蘇生の技術更新に努めてまいりました。2018年8月現在まで講習会は20回以上開催され、述べ受講者は400名以上となりました。当院のみならず、釧路・根室管内の医師・看護師・助産師の他、救急救命士も対象として講習会を実施し、新生児蘇生を確実に実施できる医療従事者を育成しています。
また、釧路・根室管内の周産期医療関係者を対象とした周産期カンファレンスを年1回開催し、全国から講師を招聘し、新生児医療・産科医療におけるトピックスを講演してもらっています。

ご両親・ご家族の皆様へ

NICUに入室することになった赤ちゃんが、なるべく後遺症なく元気に退院できるために力を尽くして、発達や発育に関するマイナス面をできるだけ減らせるように頑張るのは我々医療スタッフの役割ですが、赤ちゃんの発達や発育についてプラスになることを積み上げていく役割は、お父さん・お母さん他ご家族が中心になります。
具体的には、たくさん赤ちゃんに会いにきてあげて、たくさん話しかけてあげてください。
そして、赤ちゃんのオムツを交換したり、母乳やミルクをあげたりして、積極的に赤ちゃんのお世話をしてあげてください。
このような、ご家族と赤ちゃんが触れ合う機会こそが、赤ちゃんが一番嬉しいことであり、入院生活で心待ちにしていることだと思いますし、さらには将来的には発達にも良い影響を与えるということが、科学的な研究からも明らかとなってきています。
また、赤ちゃんにはできるだけ母乳を最優先にあげることにしていますが、これはお母さん以外にはできない素晴らしいことです。赤ちゃんも喜ぶと思いますので、是非少しでもよいので母乳を絞ってNICUまで届けてください。
私たち医療スタッフは、このようなご家族と赤ちゃんの触れ合いを少しでも増やしていけるように、できるだけサポートしていきたいと考えています。 赤ちゃんの体調が良ければ、抱っこやカンガルーケア(ご両親の肌と直接触れ合って赤ちゃんを抱っこすること)も行えますので、スタッフと相談して予定を組んでいきましょう。

退院後の発達外来フォローアップ

早産で生まれた赤ちゃんは、元気に退院できても、1歳くらいまでは足りない栄養素を補うお薬を飲んだり、風邪をひきやすかったりして何かと病院にかかる機会が多いことがあります。また、立って・歩いて・お話しして、といった発達がゆっくりであったり、保育園や幼稚園などの集団に入った時に、環境に慣れずにお友達と仲良く遊べなかったり、みんなと一緒に行動することが苦手だったり、と育てていく上で色々な困りごとが出てくることがあります。
発達外来では、そのような困りごとに対するご家族の相談に乗り、各地域における児童発達支援センターや児童発達支援事業所、保育園・幼稚園・学校の先生方と一緒に、困りごとをどのように解決していくか、環境をどのように整えてあげたら良いのかを具体的に考えていきます。必要に応じて発達障害専門医の先生とも相談しながら、発達支援を行なっていきます。基本的には、全国のNICUが共通して採用している、ハイリスク児フォローアップ研究会による健診プロトコールに従って、1500g未満で生まれた極低出生体重児の赤ちゃんは9歳まで、それ以上の体重で生まれた早産の赤ちゃんは1歳半から3歳程度までは発達のフォローアップを行います。
育てていく上で心配なことや困っていることなどは遠慮なく相談していただければと思いますし、逆にこんなことができるようになったとか、成長したことなどを伝えてもらえると、私たちも大変嬉しいです。

NICUスタッフ紹介:新生児集中ケア認定看護師

新生児集中治療ケア認定看護師2名
新生児専門医        1名

兼次 洋介 (かねし ようすけ)
日本周産期・新生児医学会周産期専門医(新生児)、日本周産期新生児医学会新生児蘇生法専門コースインストラクター、臨床遺伝専門医
北海道大学医学部を卒業し、北見・苫小牧・室蘭で一般小児科・新生児医療を研修したのち、市立札幌病院新生児内科、北海道大学病院周産母子センターNICU、神奈川県立こども医療センター新生児科で新生児専門研修を受けました。
2017年より釧路赤十字病院小児科で勤務しています。
釧路根室中標津地域のお母さん・ご家族が安心してお産ができ、生まれてくる赤ちゃんが元気に退院し、地域で育っていくのをお手伝いできるよう、当院小児科で勤務する小児科医の先生方と一緒に頑張っていきたいと思います。


NICU入院中の赤ちゃんの生活について

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入院中の赤ちゃんのNICUでの過ごし方を説明致します。


午前中
9時頃、医師が様子を見に来てくれます。医師の診察が終わったら、授乳時間です。
授乳が終わったら、お休み時間です。

12時頃・15時頃
おっぱい練習できるようになったら、12時と15時は授乳室でおっぱい練習です。

14時頃
お父さんお母さんの沐浴の練習はこの時間帯です。
*お父さんお母さんの沐浴練習がない時には、看護師が沐浴を行っています。
*お風呂に入らない場合は、体をふきます。

13時30分〜21時
面会時間です。保育器から出て、コットで過ごしている場合は、窓越しの面会ができます
*NICUへの入室は、原則、ご両親のみとさせていただいています。

21時以降は
夜間も日中同様、3時間ごとに授乳しています。21時以降はNICU全体を暗くして、赤ちゃんがゆっくり休める環境を提供しています。医師は24時間います。赤ちゃんの調子が悪くなったときにはすぐに、赤ちゃんの様子を診に来ます。

NICU看護についての紹介

1.産前訪問の実施

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産科病棟へ入院された方へ、ご希望等を確認しながら、産科病棟看護師・NICU看護師間で話し合いを行い、NICU看護師による「産前訪問」を行っております。内容は、NICU内の様子について説明させて頂いています。また、状況に応じて、NICU内の見学も行っております。

2.入院中の赤ちゃんのお世話について

NICUに入院していても、赤ちゃんのお世話の中心はお父さんお母さんです。赤ちゃんはお父さんお母さんがいる中で、健やかに成長していきます。入院中は、お父さんお母さんが安心して赤ちゃんと一緒に過ごす時間を持ち、赤ちゃんの様子に合わせたお世話ができるよう私たちはお手伝いさせて頂きます。

■赤ちゃんの生活する場所は?
入院した赤ちゃんは、保育器またはベッド(コット)で生活します。早く生まれた赤ちゃんには、保育器にカバーをかけて、お腹の中のような暗い環境にしています。また、囲いによって、お母さんお腹の中にいた時と同じような姿勢をとり、安心して眠る事ができるようにしています。

■ホールディング・タッチング
保育器の中で過ごす赤ちゃんが泣いていたり、疲れている様子の時に、両手を大きく広げて赤ちゃんを包み込むように触れていきます。お父さんお母さんの暖かな手で赤ちゃんは安心して眠ることができます。

■カンガルーケア
お母さん・お父さんにリクライニングシートに座っていただき、裸の赤ちゃんを胸の上で抱っこして過ごしていただきます。お父さんお母さんとぴったり肌をつけてゆっくり抱っこをしてあげることで、赤ちゃんは落ち着いて、呼吸や消化が改善します。
*赤ちゃんの状況に応じて行っております。

■母乳育児
産まれてすぐの胃腸が未熟なときには、消化のよい母乳が赤ちゃんのお腹を守ってくれます。その他に、直接授乳の時期には、お母さんに抱かれる事での安心感を得ることができます。また、お母さんにとっては、産後の心と体の回復を手伝ってくれます。母乳を継続していくためには、3〜4時間ごとの搾乳が必要です。夜間も続けて必要なので、産後のお母さんは大変です。お母さんの身体への負担を少なくするためにも、家族の助けが必要です。
*私達は、お子様の入院中、母乳で育てたいお母さんのお手伝いをします。
*搾乳を赤ちゃんのそばで行うことができます。
*授乳場所については出来る限り調整させて頂きますので、出来る限りお父さんの参加もお待ちしております。

■オムツ交換
面会の時に、赤ちゃんがうんちやおしっこをしていた時には、おむつ交換は、お父さんお母さんにお願いしています。
*看護師も一緒に行ってきます。


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面会時、またはお電話にて赤ちゃんの様子をお伝えしていますが、不足している事、わからない事は、遠慮無くスタッフにご確認ください。また、ご面会中のできごとや新しい発見は、ぜひスタッフにも教えて下さい。


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■タッチケア
赤ちゃんとお母さん(お父さん)が見つめ合い、語りかけながら、赤ちゃんの素肌にしっかりふれる、なでる、少し圧をかけながらマッサージしていきます。
赤ちゃんとご両親の心と体がふれあうことにより、親子のきずなを深めていきます。


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■スキンケア
生まれたばかりの赤ちゃんの肌は、とても敏感です。赤ちゃんのお肌に合わせたケアを行っています。沐浴ができるようになったら、赤ちゃん用のローションを使用して、赤ちゃんの肌の乾燥を守ります。
*赤ちゃんの使用するローションはご家庭で準備して頂きます。


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■沐浴室
・初めてのお母さん・お父さんも、看護師と一緒に赤ちゃんのお風呂の練習をします。
ご希望に応じて、見学や人形を使った事前練習を行っています。
・赤ちゃんたちはお風呂がとても大好きです。
・お時間が合えば、退院まで何度でも行っていただいています。


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赤ちゃんとご両親、どちらの負担にもならない範囲で、一緒にケアを考えていきましょう。
退院前には、お熱やおしっこ・うんちの観察方法など、赤ちゃんの健康管理についても説明させていただいています。この他にも、ご希望があれば遠慮なく看護師にお伝えください。


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■ファミリールーム
退院前、育児練習などのために、お母さん・お父さんがお子さんと一緒にお泊まりして頂くお部屋です。一日を通してお子さんと一緒に過ごすことで、面会時に練習してきた成果の確認や、退院後の生活がイメージしやすいように、ご使用していただいています。
ファミリールームの使用時期、方法については、ご家族のご希望を確認しながら調整させていただきます。

■退院後は
ご家庭に戻られてからも、赤ちゃんとご両親が安心して過ごせるように、地域の保健師や関係医療機関へ情報提供を行い、支援を繋いでいきます。

本ホームページでは、NICU関連の 医療給付制度赤ちゃんのための災害対策 についても紹介しています。