当院 診療放射線科は診療放射線技師14名(男性-10名,女性-4名)、助手1名の15名の構成で日々の業務を行っています。
診療放射線技師とは、法律により「厚生労働大臣の免許を受けて、医師又は歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射(中略)することを業とする者をいう」と定められており、医師・歯科医師以外で唯一 治療・診断の為の放射線を人体に照射することのできる職種です。業務内容として、単純X線撮影(胸部・腹部・骨)、X線TV透視検査(胃や腸のバリウム検査等)、乳房撮影(マンモグラフィー)、骨密度検査、CT、MRI、血管造影、核医学検査、エコー検査(超音波検査)等を行っています。又、デジタル化された膨大な量の画像の管理・運用も放射線技師が行っています。
担当する技師は、安心・安全に検査を受けて頂けるよう日々の研鑚を重ねて、正確な診断につながる精度の高い画像を提供できるよう努めています。
■ 各学会 又は放射線技師会の認定・資格
・第1種放射線取扱主任者
・放射線管理士
・放射線機器管理士
・医療画像情報精度管理士
・医療情報技師
・検診マンモグラフィー撮影認定診療放射線技師
・マンモグラフィ検診施設画像認定放射線技師
・マンモグラフィ検診施設画像認定
・超音波検査士
・日本リウマチ学会認定登録ソノグラファー
・X線CT認定技師
・肺がんCT検診認定技師
・大腸CT認定技師
・画像等手術支援認定診療放射線技師
・災害支援認定診療放射線技師
・(オートプシー・イメージング)AI認定診療放射線技師
当院の撮影室は、胸部・腹部専用の撮影室が1室、そして汎用の(胸部・腹部・頭部・整形領域)の撮影室が3室あります。
【一般撮影装置】
【移動型X線撮影装置】
X線撮影室に来る事のできない患者さんや、緊急の検査が必要な患者さんに対して、病室や処置室等での撮影を可能にした装置です。
富士フィルム株式会社 CALNEO Go PLUS
当院のX線撮影はフラットパネルディテクタ(FPD)を導入しています。FPDとは、X線曝射後、短時間かつ自動的に高精度の画像を取得することができる新システムです。検査時間の短縮、被ばく線量の低減も可能です。
ボタン、ビーズ、プリントや厚手の線維、ゴムなどは写真に写ってしまう場合がありますので、確認させていただくことがあります。また、服以外にもプラスチックや金具のついた下着、湿布、エレキバン等は、外していただく場合かありますのでご了承ください。妊娠している可能性のある方は、撮影担当者にお申しつけください。
マンモグラフィ検査とは、乳腺・乳房専用のX線撮影検査で、乳房を圧迫しながら撮影します。患者さんにとって少しでもリラックスして検査を受けていただけるよう、撮影室の環境を整え、安心してより精度の高い検査を提供できるようにつとめています。
また、当院は日本乳がん検診制度管理中央機構から認定された「マンモグラフィ検診・画像認定施設」であり、同機構主催の試験に合格した検診マンモグラフィ認定医師と撮影認定診療放射線技師が在籍しています。
”9人に1人”が乳がんになると言われている現代、少しでも多くの女性に検診を受けて頂きたく、通常外科外来での検診のほかに、エコー検査がセットになった毎週月・水・金曜日の夕方(WEB 予約)や、2・8・11月の第1日曜日に休日乳がん検診(電話予約)を実施しています。お住まいの市町村からの助成を受けて検診を受けることも可能ですので、継続的に検診受診を行い早期発見・治療を目指しましょう。
富士フイルム株式会社 AMULET Innovality(2022年9月導入)
AMULET Innovalityは最小画素サイズ50μmで高精細画像を描出しつつ、従来比30%減の低線量撮影を可能にした装置です。通常のマンモグラフィ撮影のほか、トモシンセシス(断層撮影)とステレオガイド下マンモトーム生検が可能になり、病変に対してより詳細に調べることが出来るようになりました。またこの装置には圧迫撮影時の痛みを和らげる圧迫自動減圧制御システム「なごむね」が導入され、圧迫時の痛みはもちろん、心理的な負担の軽減を期待しています。
装置の導入時に合わせてリフォームした検査室です。
乳房を圧迫するのは正常乳腺と病変を分離させ、病変をより見えやすくさせるためです。また、圧迫することにより使用するX線の被ばく線量を少なくすることができます。個人差はありますが、圧迫の際に多少痛みを伴うことがあります。乳房の痛みは体調や緊張によっても変わります。
特に、月経が始まる直前では乳房が張り通常よりもより痛みを感じる傾向にあります。
無理な圧迫は行いません。我慢できないときは遠慮せずお申し付けください。
※以下の患者さんはお申し付けください※
妊娠している方、直前に制汗剤を使用した方、又、豊胸手術をされた方、ペースメーカーを入れている方は、必ず事前にお申し出ください。
撮影時の圧迫により、損傷が生じる危険性があります!!
骨密度測定は骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に使用されています。骨密度測定には腰椎と大腿骨を測定します(検診は大腿骨のみ)。この2か所は検出感度に優れ、経過観察にも適し、測定精度にも優れています。測定されたデータをコンピュータで解析することにより、患者さまの骨年齢を若い人や同年代の人と比較して解析します。
通常の検査では骨密度と海面骨構造指標(TBS)を調べます。
(※TBSは腰椎のデータを解析するため、健診では調べることができません)
骨の強さは骨密度(70%)と骨質(30%)により規定されています。
骨質はさらに材質と構造に分類され、TBSは骨の内部の構造を評価する指標を指し、骨折のリスクを色で評価することができます。
TBSは骨密度とは独立した骨折の危険因子です。
TBSを解析できる装置は限られており、釧根地区では当院が初めてです。
全身用X線骨密度測定装置 PRODIGY Fuga
CTとはComputed Tomographyの略で、コンピュータ断層撮影のことを言います。X線CT検査とは、X線を360°方向かららせん状に照射しコンピュータで処理することにより、あらゆる角度の断面画像を自在に作成することが出来ます。様々な方向から病巣を発見することが可能です。当院では検出器が80列搭載された装置を導入しておりますので、比較的短時間で検査が可能となっております。
キャノンメディカルシステムズ社製 80列CT Aquilion PRIME SP
キャノンメディカルシステムズ社製 16列CT Aquilion Lighting
(CTから再構築した血管の画像)
ヨード造影剤を静脈に注入しながら撮影することで、立体的な 血管画像を作成することができ、診断に役立てています。
造影剤の留意点等については<検査を受ける方へ>をご覧ください。
肛門から炭酸ガスを注入し大腸を膨らませて撮影をすることで大腸の腫瘍性病変などを診断する方法です。
炭酸ガスで膨らんだところが画像として現れます。ポリ−プの大きさや位置などを正確に観察することができます。CT検査室にいる時間はおおよそ10-15分程度です。
病変があるため、狭窄している部位は炭酸ガスの通り道が狭くなるためこのように描出されます。(赤枠部分)炭酸ガスを注入するため膨満感を感じますが、炭酸ガスは体内へすぐに吸収されます。
体脂肪には内臓脂肪と、皮下脂肪の二種類があります。CTにおける体脂肪測定はへその位置で断層写真を1スライス分撮影し、内臓脂肪と皮下脂肪が色分けして表示されます。
それぞれの脂肪の面積を自動計算し、内臓脂肪面積が100平方センチメートル以上だと、内臓脂肪型肥満と判定されます。
検査によっては禁食になる場合もあります。検査時間の目安は、単純CT検査で5〜10分、造影CT検査で10〜15分程度です。検査部位により金属がついた服や下着、貴金属などをはずして頂くことがあり、検査衣に着替えて頂く場合もあります。造影剤を使用しないCT検査の場合は、検査前に準備していただくことはありません。造影剤を使用するCT検査の場合は、腎臓の機能に問題ないか確認する必要があります。
その為、CT検査の前に採血に行って頂きます。 またビクアナイド系経口糖尿病薬を服用中の方は、検査前48時間及び検査後48時間は、一時中止をする必要があるので医師か看護師に相談していただく必要があります。
ただし、緊急に造影CT検査を行う必要がある場合はこの限りではありません。造影検査をより安全に行うために、造影剤を使用する検査の際には同意書の記入をお願いしています。造影剤はごく稀に副作用(かゆみ、吐き気、発疹等軽度のものから、重度なものではショック等)が起こることがありますが、すぐに適切な処置がとれるように万全な準備をしてあります。また、下記に当てはまる方は造影剤を使用できないことがあります。
・以前に造影剤を使用して副作用が起きたことがある
・喘息(ぜんそく)がある・腎臓の病気がある・アレルギーがある
・重症の甲状腺疾患や心臓病、肝臓疾患がある
<お願い>・妊娠の可能性がある方は、必ず事前にお知らせください。
MRI検査とは、磁石の力を利用して体の断面が得られる検査です。放射線は使用しませんので放射線による被曝はありません。頭部・腹部(肝臓や胆嚢、婦人科など)・脊椎・四肢関節などの検査を行っています。頭部領域では、初期の脳梗塞などに対しての診断が容易で、脊椎領域ではヘルニアに有用で四肢関節では、靱帯損傷・半月板損傷などの診断が可能です。検査時間は20〜50分程度で、安静に寝て頂くだけで良い画像が得られます。但し、撮影中に体が動きますと、うまく撮影できない場合があります。さらに撮影中は大きな音がします。ご心配な方はヘッドフォンを用意しております。
PHILIPS:Ingenia 1.5T Evolution
患者さまに迅速に画像情報を提供するため、様々な工夫をして待ち日数を極力少なくしております。なお、次の内容に該当する患者さんは、検査を受けることが出来ない場合や制限あることがございますので、主治医または診療放射線科にご相談ください。
X線TV装置は、X線を用いて人体の中を透視して、動画でリアルタイムに観察・撮影する装置です。
消化管造影(胃や大腸など)では造影剤という薬を使って通常のX線撮影では写らない臓器を患者さんの体の向きを変えたり、検査台を傾けたりすることで胃や病変が見えやすい角度・タイミングで撮影することができます。
消化管造影の他には、脱臼・骨折した骨の整復、術後の癒着などが無いかを確認する外科の造影検査、子宮卵管造影、尿管カテーテルの留置、食べ物をきちんと飲み込むことができるかを調べる嚥下造影検査など多岐に渡った検査を行うことができます。
また、装置によってはトモシンセシスという検査を行うこともできます。トモシンセシスは断層画像を撮影して立体的な情報を得ることで、病変や骨の損傷をより詳しく観察することができる検査です。
またX線TV装置では、検査だけではなく、超音波(エコー)装置を併用して、体の表面から体内に管を挿入する治療や、内視鏡(胃カメラ)装置を併用して胆道系にある結石を除去したり、狭いところを広げたりする治療なども行うことができます。
当院では、2台のX線TV装置があります。
・日立 CREVISTA(画像左)
・島津製作所 SONIALVION G4(画像右)
検査の種類が多く、検査によっては食事制限や胃腸の動きを抑えるお薬を注射するなどの前処置があったり、着替えが必要だったり、装着しているメガネ、ネックレス、時計などを外してもらう場合があります。
検査ごとに注意していただくことが異なりますので、詳しくは医師等にご確認下さい。
『RI(アールアイ:Radio Isotope=放射性同位元素)検査』、『アイソトープ(Isotope)検査』とも呼ばれていますが、当院では日本語表記の『核医学検査』と呼んでいます。
自ら微量の放射線を出すRIという物質で目印をつけた薬(放射性医薬品)を肘や手の静脈から注射します。
体内に入った薬は全身をめぐり、特定の臓器に集まってきます。RIが集まった臓器から放射線が出ます。
検査寝台上で横たわっている間に、ガンマカメラという特殊なカメラで、この放射線を検出して画像を得ることができます。
患者さんの体内の特定の臓器・組織の機能、動き、形態、分布など を画像化することで、病気の有無、程度、分布などを調べることができます。
多くの検査は30分前後検査寝台上で静かに横になっている間に終了するので、患者さんにとっては苦痛の少ない検査です。
がんの骨転移を評価するのに有効な検査です。転移巣は黒く描出されますが、骨折や骨の炎症、腎臓や膀胱の中の尿も黒く描出されます。
・キャノンメディカルシステムズ SymbiaE
検査に必要なお薬は、患者さまごとにその都度用意しますので、予約日の変更等は、必ず投与日前日までに当院のかかっている診療科まで連絡して下さい。検査の種類によってお薬を投与してから撮影開始するまでの時間(直後〜20分後、3時間後、6時間後、24時間後、2日後、1週間後など)や、撮影にかかる時間(10分、30分〜1時間程度など)が異なります。検査の種類によっては事前の食事制限や服薬の制限が必要になるものがあります。詳しくは医師等の指示に従って下さい。
当院では、検査だけではなく、『甲状腺機能亢進症に対する放射性医薬品による内用療法』、『放射性医薬品による骨転移疼痛緩和目的の内用療法』、『甲状腺癌の甲状腺全摘術後の放射性医薬品による残存甲状腺処置目的の内用療法』も実施しています。詳しいことは各診療科にお問い合わせ下さい。
エコー検査(超音波検査)は、耳では聞き取れない高い周波数の超音波を体にあてて、その反射波を画像にする検査です。
MRIと同じく放射線を使用しない検査です。放射線科部では、心臓を除くエコー検査を行っています。
最も件数が多いのは、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓を中心とした上腹部のエコー検査です。
各臓器の大きさや形、又、脂肪肝や胆石、胆のうポリープ、腫瘍性病変をはじめとした様々な病気を見つけることが出来ます。甲状腺や乳腺エコーも行っていますが、乳腺エコーは女性技師が中心となって行っています。腫瘍の有無やリンパ節の腫れなども診ることが出来ます。
その他にも、頚動脈エコーやエコーを使用した検査・治療のサポートをしています。
エコー検査は無侵襲で安全な検査でありながら、様々な病気がわかります。患者さんの状態や体格によっては評価が難しい場合がありますので、医師の指示により他の画像検査と組み合わせ、診断することもあります。
<その他、エコーが有用な検査>
関節エコー:手指関節と手関節をエコーで診ることにより関節炎の評価が出来ます。写真は、指の関節に起こったリウマチによる関節炎の症例です。炎症を起こしている部分が燃えるように赤く表示されています。
・キャノンメディカルシステムズ株式会社 : Aplio i800
・富士フィルムヘルスケア株式会社 : ARIETTA 850SE
・PHILIPS:EPIQ Elite
血管造影検査法(アンギオグラフィー)は、血管内に造影剤を注入し、その流れをX線で撮影することによって、血管そのものの形状などを観察する方法です。略して「アンギオ」と呼ばれることもあります。造影剤を目的の血管に流し込んでから、X線撮影をすることで、造影剤が入った部分の血管の形をはっきりと写し出すのです。造影剤をどこに入れるかによって、動脈造影法と静脈造影法に分けられます。
さらに現在、この血管造影検査法の手技が、治療にも用いられるようになっています。
手足の血管からカテーテルを入れ、それを使って目的の血管の内部から治療を行うインターベンショナル・ラジオロジー(IVR)という方法です。IVRでは、リアルタイムでエックス線の透過像を見ながら、血管内に挿入したカテーテルを操作して、動脈硬化などで狭くなった血管を広げたり(血管形成)、コイルを詰めて血管が破れる恐れのある動脈瘤に血液が流れ込まないようにしたり、がん組織に栄養を与える血管の血液を遮断する(血管塞栓術)といった治療行います。また、抗がん剤や血栓(血液のかたまり)を溶かす薬を、動脈から直接患部に注入することも可能です。
当院では主に血管塞栓術を行っています。
・キャノンメディカルシステムズ : Alphenix
・以前に造影剤を使用して副作用が起きたことがある
・喘息(ぜんそく)がある・腎臓の病気がある・アレルギーがある
・重症の甲状腺疾患や心臓病、肝臓疾患がある
検査前には、医師から十分な説明があります。ご不明な点や、お気にかかる点がございましたら、ご遠慮なくお尋ねください。検査中に気分が悪くなったり、体が辛くなったり、不安なことがございましたら、声に出してお話ください。必ず近くに医師、看護師、診療放射線技師がおりますので、安心して検査をお受けください。