消化器内科の現状

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消化器内科の現状

消化器疾患は消化管、胆膵、肝臓に大きく分かれます。

消化管領域

上部 ・ 下部内視鏡検査 ・ 治療には特に力を入れており得意とするところであります。早期胃癌、早期食道癌の内視鏡治療は平成3年より行っており、術後のトラブルや再発もほとんどなく安定した結果をあげています。治療には通常の内視鏡のほか斜視鏡や2チャンネル内視鏡など特赦な内視鏡を病変部位に応じて使い分け対処しています。
胃潰瘍からの出血に対しても、HSE、エタノール、クリップ、アルゴンプラズマ凝固法、など各種の治療手技を駆使して対処しています。食道静脈瘤の内視鏡治療も昭和60年代より行っており、内視鏡的硬化療法や結紮術を静脈瘤の程度や病態に応じて使い分けています。積極的に予防的治療を心がけることにより、吐血にいたることはほとんどありません。
大腸内視鏡検査は大腸がんの発生率の増加と共に患者さんの関心も高まり、その重要性が増加している分野です。従来苦痛が多く大変な検査という印象が高い検査でしたが、技術の向上や最新検査機器を取り入れることにより、ほとんど数分以内に回盲部に達することが出来ており、患者さんの苦痛軽減と検査数の増加に対処しています。またポリペクトミーや、表面型腫瘍(平坦な腫瘍) に対応する粘膜除去 (EMR) も多数行っており、合併症もほとんどありません。近年は早期大腸癌にたいし拡大内視鏡観察により微細診断も行っており、進達度の決定や治療方針の迅速な決定に寄与しています。

胆膵領域

ERCPや内視鏡的乳頭切開 (EST) を中心とした診断 ・ 治療を行っており、総胆管結石の陥頓や胆道癌によるご紹介も増えており、とくに緊急を要する領域でもあり随時迅速に対応するよう努めております。
検査数の増加や検査 ・ 治療内容の多様化に対処するため、病院増改築に合わせ平成13年2月に内視鏡室を一新しました。約220㎡のスペースに上部内視鏡検査室を3ヶ所、超音波内視鏡室1ヶ所、下部内視鏡検査室を2ヶ所それぞれ同時に使用可能な状態とし、別に回復室をもうけました。また検査室と内視鏡洗浄室を独立させ、騒音や消毒液の臭いが検査に影響しないように配慮しています。スコープの洗浄 ・ 消毒には特に力を入れており、洗浄機を多数導入しスコープを有効利用し、検査に使われるスコープは一人の検査ごとに1回ずつ洗浄 ・ 消毒されたものを使用しており、交叉感染の防止に努めています。内視鏡室の移転にともない光源装置など検査器機は最新のものとしました。また各検査室は検査器機を機能的に配置したパテーション (検査器機を埋め込んだ間仕切) でセパレートされており、高度化する内容に対処するとともに、患者さんが安心して内視鏡検査を受けられるように考えております。また内視鏡認定医が常勤し、診療内容の充実や看護師の指導・育成に努めています。

肝臓領域

主に肝細胞癌に対する治療と肝炎に対する治療に分けられます。肝細胞癌に対する治療は、外科手術も含め当院の得意領域のひとつであり、内科的には血管造影による寒栓術 (TAE) やエコー下の経皮的治療が中心ですが、10年以上前から積極的に行っており、ほぼ毎週実施しています。肝細胞癌の治療においては、患者さんの肝硬変の重症度とともに、腫瘍のサイズや個数が予後の点で重要であり、肝疾患患者の日常のフォローアップ (特に定期的なエコー、CT検査)が重要と考えております。逆に医療器機や医師の労力を必要とする部分でもあり、定期的な検査のご依頼も承けています。肝炎に対する治療としては、従来からの強ミノCやインターフェロンによる治療が多く行われておりますが、治療期間が長いため当院に通院が難しいケースなど、開業の先生方や他の地域の病 ・ 医院の先生方にご協力いただいております。肝炎は経過の長い慢性疾患であり、また肝細胞癌や静脈瘤の発症など急に重症化する疾患でもありますので、検査や治療など特に重症化する疾患でもありますので、検査や治療など特に病診連携の重要な分野と考えております。数年前より肝臓病専門医により肝臓外来を始めましたが、平成14年8月より消化器病の診療をさらに専門化し、診療内容の向上をはかるため、消化器外来を開設しました。