入院中の赤ちゃんのNICUでの過ごし方を説明致します。
産科病棟へ入院された方へ、ご希望等を確認しながら、産科病棟看護師・NICU看護師間で話し合いを行い、NICU看護師による「産前訪問」を行っております。内容は、NICU内の様子について説明させて頂いています。また、状況に応じて、NICU内の見学も行っております。
NICUに入院していても、赤ちゃんのお世話の中心はお父さんお母さんです。赤ちゃんはお父さんお母さんがいる中で、健やかに成長していきます。入院中は、お父さんお母さんが安心して赤ちゃんと一緒に過ごす時間を持ち、赤ちゃんの様子に合わせたお世話ができるよう私たちはお手伝いさせて頂きます。
■赤ちゃんの生活する場所は?
入院した赤ちゃんは、保育器またはベッド(コット)で生活します。早く生まれた赤ちゃんには、保育器にカバーをかけて、お腹の中のような暗い環境にしています。また、囲いによって、お母さんお腹の中にいた時と同じような姿勢をとり、安心して眠る事ができるようにしています。
■ホールディング・タッチング
保育器の中で過ごす赤ちゃんが泣いていたり、疲れている様子の時に、両手を大きく広げて赤ちゃんを包み込むように触れていきます。お父さんお母さんの暖かな手で赤ちゃんは安心して眠ることができます。
■カンガルーケア
お母さん・お父さんにリクライニングシートに座っていただき、裸の赤ちゃんを胸の上で抱っこして過ごしていただきます。お父さんお母さんとぴったり肌をつけてゆっくり抱っこをしてあげることで、赤ちゃんは落ち着いて、呼吸や消化が改善します。
*赤ちゃんの状況に応じて行っております。
■母乳育児
産まれてすぐの胃腸が未熟なときには、消化のよい母乳が赤ちゃんのお腹を守ってくれます。その他に、直接授乳の時期には、お母さんに抱かれる事での安心感を得ることができます。また、お母さんにとっては、産後の心と体の回復を手伝ってくれます。母乳を継続していくためには、3〜4時間ごとの搾乳が必要です。夜間も続けて必要なので、産後のお母さんは大変です。お母さんの身体への負担を少なくするためにも、家族の助けが必要です。
*私達は、お子様の入院中、母乳で育てたいお母さんのお手伝いをします。
*搾乳を赤ちゃんのそばで行うことができます。
*授乳場所については出来る限り調整させて頂きますので、出来る限りお父さんの参加もお待ちしております。
■オムツ交換
面会の時に、赤ちゃんがうんちやおしっこをしていた時には、おむつ交換は、お父さんお母さんにお願いしています。
*看護師も一緒に行ってきます。
面会時、またはお電話にて赤ちゃんの様子をお伝えしていますが、不足している事、わからない事は、遠慮無くスタッフにご確認ください。また、ご面会中のできごとや新しい発見は、ぜひスタッフにも教えて下さい。
■タッチケア
赤ちゃんとお母さん(お父さん)が見つめ合い、語りかけながら、赤ちゃんの素肌にしっかりふれる、なでる、少し圧をかけながらマッサージしていきます。
赤ちゃんとご両親の心と体がふれあうことにより、親子のきずなを深めていきます。
■スキンケア
生まれたばかりの赤ちゃんの肌は、とても敏感です。赤ちゃんのお肌に合わせたケアを行っています。沐浴ができるようになったら、赤ちゃん用のローションを使用して、赤ちゃんの肌の乾燥を守ります。
*赤ちゃんの使用するローションはご家庭で準備して頂きます。
■沐浴室
・初めてのお母さん・お父さんも、看護師と一緒に赤ちゃんのお風呂の練習をします。
*ご希望に応じて、見学や人形を使った事前練習を行っています。
・赤ちゃんたちはお風呂がとても大好きです。
・お時間が合えば、退院まで何度でも行っていただいています。
赤ちゃんとご両親、どちらの負担にもならない範囲で、一緒にケアを考えていきましょう。
退院前には、お熱やおしっこ・うんちの観察方法など、赤ちゃんの健康管理についても説明させていただいています。この他にも、ご希望があれば遠慮なく看護師にお伝えください。
■ファミリールーム
退院前、育児練習などのために、お母さん・お父さんがお子さんと一緒にお泊まりして頂くお部屋です。一日を通してお子さんと一緒に過ごすことで、面会時に練習してきた成果の確認や、退院後の生活がイメージしやすいように、ご使用していただいています。
ファミリールームの使用時期、方法については、ご家族のご希望を確認しながら調整させていただきます。
■退院後は
ご家庭に戻られてからも、赤ちゃんとご両親が安心して過ごせるように、地域の保健師や関係医療機関へ情報提供を行い、支援を繋いでいきます。
本ホームページでは、NICU関連の
医療給付制度・赤ちゃんのための災害対策
についても紹介しています。