泌尿器科

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泌尿器科 医師週間スケジュール

午前 鰐 渕 村 中 鰐 渕
午後 鰐 渕
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※午後は検査予約のみです。
※外来受付時間については、こちらをご参照ください。

医師紹介

氏名(卒業年次) 職名 認定資格 専門分野
鰐渕 敦
(平成24年 札幌医大卒)
部長 日本泌尿器科学会専門医
日本泌尿器科学会指導医
日本排尿機能学会専門医
泌尿器科一般
村中 一平
(平成30年 札幌医大卒)
医師 日本泌尿器科学会専門医 泌尿器科一般

診療内容

腎臓、膀胱、前立腺、精巣、陰茎などの泌尿生殖器の疾患、下部尿路症状(頻尿、尿失禁)などです。当科では泌尿器科常勤医2名での診療を行っておりますが、ほかに札幌医科大学泌尿器科学教室より出張医支援を受けて手術をおこなっております。頻度の少ない症例や治療困難な症例についても、札幌医科大学泌尿器科学講座を中心としたネットワークを活用し、迅速に最新の知見や専門家の意見を取り入れ診断・治療にあたることが可能です。

診療科の特色
1.  排尿障害

①  前立腺肥大症
高齢者の増加に伴い、前立腺肥大症は増加しています。尿道の途中にある前立腺が大きくなることでおしっこの通り道が狭くなり種々の排尿症状を呈する疾患となります。科では前立腺疾患が疑われる患者さんに対して、

  1. 国際前立腺症状スコアー(IPSS)
  2. 前立腺触診
  3. 尿流測定
  4. 残尿測定
  5. 経直腸的超音波断層(エコー)検査
  6. 逆行性尿道造影
  7. 血液中の前立腺特異抗原(PSA)測定

などの検査を行い、前立腺肥大症の進行状態を出来るだけ客観的に診断した上で治療法を決めています。
治療法としては先ず薬物治療が主体となりますが、薬物療法が奏功しない方や効果が期待しづらい方、または中等度以上に肥大症が進行した患者さんに対して手術を行っております。

当科では従来電気メスを使用した経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を7泊8日で行っておりましたが、2023年12月にGreenLight XPSシステム(ボストン社)を釧路・根室地域において初めて導入いたしました。本システムは532nmの波長のグリーンレーザーを照射することでレーザーが前立腺組織の赤血球内に含まれるヘモグロビンに吸収され瞬時に高熱を発し前立腺組織を蒸散させる手術方法で光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)と呼ばれます。日本国内では2005年よりPVPレーザーの治療が開始され20年の経験が蓄積されております。従来のTURPに比べて入院期間、カテーテル留置期間、出血が少なくより安全に施行可能となりました。

当科では現在クリニカルパスを用いて基本的に4泊5日のスケジュールで手術を行っております。2023年12月より2024年12月までの導入1年目に施行した75例において、術前と比べて手術後1か月で患者さまの平均排尿症状スコア(IPSS) 18.1→9.2、満足度(QOL)4.7→2.9、残尿量145→78mlは大きく改善しておりました。また予定日数通りの退院率92%(69/75例)、30日以内再入院率2.6%(2/75例)と安全に施行可能でした。

GreenLight XPSシステム(ボストン社)

② 過活動膀胱

過活動膀胱は尿が十分貯まっていないにも関わらず膀胱が過敏に収縮する状態を指します。突然堪えられないような尿意(尿意切迫感)が出現したり、昼間や夜間の頻尿をともなうことが本疾患の典型的な症状であります。治療については生活習慣改善や運動療法で改善しない場合は、薬物療法を行います。男性患者さまの場合は、前立腺疾患が原因で二次的に起きている場合も多く前立腺疾患の治療がまず必要になることがあります。薬物治療が奏功しない患者さまには、三次治療としてボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を2021年より1泊2日のスケジュールで行っております。仙骨神経刺激療法は当院では行っておらず対象患者さまには連携医療機関をご紹介させて頂いております。

2.  前立腺癌

前立腺癌も最近急増してきている疾患です。昔は症状が少ないため診断された時には転移など病期が進行している傾向がありましたが、最近は血液に含まれるPSA(前立腺特異抗原)の測定により早期に診断できるようになりました。PSA値が異常を示し癌が疑われる場合は、前立腺生検で確定診断を行います。当院では1泊2日の入院の上、麻酔を用いて痛みを感じないようにした上で、経直腸的に生検を行っております。

3.  腎臓癌

腎癌は進行すると血尿、側腹部腫瘤、疼痛が出てくると言われこれが腎癌の3徴と言いますが、最近ではCTや超音波などの画像診断の発達により他疾患精査の際に無症状の状態で見つかることも増えています。癌や患者さまの状態に合わせた手術治療を行っております。

4.  尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂尿管癌)

膀胱癌に対しては経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)をおこない確定診断と深達度の診断をおこなっております。表在性膀胱癌(根が浅い)に対しては種々の膀胱内注入療法をおこない、進行膀胱癌に対しては膀胱全摘術を連携医療機関に依頼しております。腎盂、尿管癌に対しては可能な限り低侵襲な腹腔鏡下手術をおこなっております。

5.  上部尿路結石(腎結石、尿管結石)

結石は突然痛みで見つかることが多いですが、半数以上は利尿をつけることで自然排石が可能です。しかし結石が自然排石のむずかしいサイズ(直径が5~6㎜以上)の場合には、手術治療が必要なことがあります。
尿路結石に対する手術治療は大きくわけて ①経尿道的手術(麻酔下で、細い尿管鏡を用いて砕石する手術) ②体外衝撃波砕石術(ESWL) に分けられます。当科では①経尿道的手術を施行しております。器械がないため、②体外衝撃波砕石術が必要な場合、希望する場合は他院に紹介しております。

主要手術実績 2024年1月-2024年12月

副腎摘除術 3(3)
根治的腎摘除術 9(8)
腎部分切除術 5
腎尿管全摘術 9(9)
腎盂形成術 1(1)
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT) 74
経尿道的前立腺切除術(TURP) 2
経尿道前立腺レーザー蒸散術(PVP) 71
経尿道的尿路結石除去術(TUL) 74
経尿道的膀胱結石除去術 16
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法 7
尿失禁手術 1
根治的精巣摘出術 3
前立腺生検 113

(): 腹腔鏡手術